SL小説「Kの告白」008:他人を傷つける自分への快感

他人を傷つけることにではなく他人をあえて傷つけている自分に快感を覚えることがある。
自ら自分にとって不利不利益なことをすることへの快感である。
これは自分をいじめることへの快感なのか、自分がいじめられていることへの快感なのか……

相思相愛の罠にハマった私は、恋に破れ、その傷心の心は自傷行為に向かう。
仲間を傷つけまくった。仲間を傷つけ堕ちていく自分の快感に酔いしれた。

見えない鋭い刃を振りかざし血しぶきを吹き上げ、返り血を浴び、返り血をなめては喜ぶ外道。

当然のことながら、私は大きな海にぽっかりと浮かぶ孤島に住むことになった。
そこには私以外はいない。

この世界に住みながら外界との連絡を一切絶った。
この世界に住みながらも誰ともコミュニケーションを取らなくなった。

後悔と罪悪感という大波が孤島を何度となく襲う。
何度も何度もその大波は孤島を襲った。
いつしかその波も小さくなり、最後には穏やかな海に。

寂しくはあるが、眺めを遮るものはなく、時間は自由に使えて、しかも波の音と小鳥のさえずりは心を癒す。

その島で私は静かに自分の息の根が絶えるのを待った。
そしてこの世界から誰に気にされることもなくフェイドアウトしていった。

終わり

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